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ディスプレーは、文字盤と一体化した繊細な星空に縁取られ、輝きを放つスリムなリングによって強調されている。

 ムーンフェイズは、時計製造技術において最も美しい複雑機構のひとつである。グラスヒュッテ・オリジナルは、長年にわたり芸術的な物作りに専心し、刺激的な新しいバージョンを発表し続けてきた。今回の『セレナーデ・ルナ』では、伝統的なムーンフェイズディスプレーに新鮮な表情がもたらされ、6時位置の丸い文字盤のカットアウトに、華麗なマザーオブパールの月が主役として輝いている。ディスプレーは、文字盤と一体化した繊細な星空に縁取られ、輝きを放つスリムなリングによって強調されている。  ムーンフェイズディスプレーの構造もグラスヒュッテ・オリジナルではこれまで見られなかったもので、文字盤の表示窓の下で回転するフラットなディスクがキャリバーのほぼ全体を覆っている。エンジニアは、ムーブメントが厚くならないように、特にスペースを節約しながら部品を組み込むことに成功。ディスクはマザーオブパールの薄い層で覆われ、その上に4つのサークルが一定の間隔で配置され、夜空を表している。バリエーションに応じて、その輪郭は、暗色にきらめくタヒチ産マザーオブパールのインレイ、または下側にダークブルーのラッカーを慎重に塗布することによって作られる。上部にプリントされた繊細な星々が天空を照らし出すのだ。  精密な歯車装置により、セレナーデ・ルナのムーンフェイズは122年間にわずか1日分だけしか調整する必要がない。調整はリューズを介して、きわめて簡単に行うことが可能だ。ボールベアリング フリーホイールが輪列からリューズへの動力の流れを切り離すことにより、時計が動作を続けている間にムーンフェイズの回転を一方向に調整する(トルクを一方向にのみ伝達する)ことが可能になっている。  透明なケースバックからは、ゴールドのローターがムーブメントの上を振幅する様子を堪能することができる。ローターはグラスヒュッテ・オリジナル初のソリッドゴールド製だ。ゴールドは密度が高いため、より大きな慣性が要求されるローターの素材に最適である。ローターの表面には貝殻模様の細かいギョーシェ装飾が、ローターの外周軌道には洗練されたペルラージュ仕上げが施されている。ローターの下側には、グラスヒュッテ様式で名高い3/4プレート、ストライプ仕上げの輪列受け、サンバースト仕上げの減速ギアなど、美しい仕上げを施したムーブメントのほか、数々の芸術的な特徴が収められて